「りんご」の絵は自然に描ける。「ちょっと」を描こうとすると戸惑う。
このような戸惑いを、日常の様々な場面で感じている人がいる…という気づきから、私たちの学びが始まりました。
発達障害のある子どもは、1クラスに2-3人いるとも言われていて、振り返れば自分の子ども時代にも確かにいたような気がします。当時は、クラスに馴染めないのも、勉強ができないのも、本人の努力不足のせいだと私だけでなく社会全体が認識していたように思います。
私の子供時代は、今より学力重視の時代でした。勉強をしていれば将来が保証されると感じられた時代です。たまたま学校の勉強は得意だった私には、生きやすい時代だったんだと思います。
もしも、学力ではなく、体力や走力や画力が重視される社会だったら…と想像してみます。おそらく私は落ちこぼれて、生きづらさを感じていただろうな…と思うのです。人の生きづらさ・生きやすさは、社会のあり方で変わるということが、実感できる気がします。
障害のある人の生きづらさを、私が理解できるわけはなく、少しくらい勉強したところで、何ができるわけでもありません。ただ。知らなかったことを知ることで、物事の捉え方が変わり、もしかして目の前のこの人は困っているのではないか?と、想像力を働かせることができるようになる。優しい気持ちになれるかもしれない。
障害について知っている人が1人でも増えれば、皆に優しい社会に1mmでも近づくのではないかと思いうのです。